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キタノに来て下さったみなさん、ありがとうございました。

今年も去年に続き、またまたベースのメンバー交替のハプニングが。

去年は、ギグの2週間前にべーシストから当日演奏できないという連絡があり、その連絡の数日前にドゥエイン・バーノに会ってたまたまいろいろ話をしていたので、その日空いていた彼が演奏してくれることに。

今年は、はじめからドゥエイン・バーノにお願いしていて、ウィリージョーンズとのトリオで演奏する予定だったが、本番の前日、午後1時過ぎにキャンセルの電話が。その日は午後4時半からリハーサルをすることになっていてミッドタウンのスタジオを予約していた。リハの前に私は仕事があり家を出て地下鉄を待っていたらドゥエインから電話が。今日の確認かな〜、と思って出たら緊急のドクターストップで明日のギグができない、というところだけを聞けて、電波が届かなくなった。

え?
じゃあ、明日のベースは探したらみつかるとしても、今日の4時半にリハに来れる人はいるかな。
と、地下鉄の中で考え、ブルックリン橋を渡るために地上に出た2分くらいの隙に、リハに来れなくても本番でオリジナル曲を弾けそうな一緒にやったことがあるベーシストにメッセージを残す。

地下鉄を降りたら2時からの演奏の仕事、目的地の駅から5分くらいで仕事場に着いたらそのあとはもう誰とも電話連絡ができない。仕事がおわったら4時半にスタジオに着くまでのギリギリの時間。でもベースなしでスタジオはいっても仕方ないしなあ。
、、、と思いつつ、駅から仕事場まであるいて5分の間にもう1度ドゥエインに電話して何があったのか状況を確認。前日のMRIの結果がわるく緊急手術の準備をするよう言われたとの事。「ベースは誰か見つけるから大丈夫、体をお大事に!」と言い切った、だけど、さて、私はどうしようか、、、今日のリハはキャンセルして明日はオリジナル曲も演奏しない、か、、、?でもそれではせっかくチャージ払って観に来てくれる人達に申し訳ない。。。。ベースはかわりが効くがドゥエインの体は1つしかない。家族も居るし、体が効かない間は仕事もできずもちろん労災なんてないし、医療費は高いし。体がつらいだけでも不安なはず。

仕事場に着いたら、2時からときいていた仕事は2時半からだった。あと30分電話できる。
で、ほかの人にも電話しているとはじめに断った上でさらに何人かオリジナルを一緒にやったベースに電話したけども留守電でつかまらない。ツアーに行っててNYCに居ない可能性もかなり高い。仕方なくドラムのウィリーに相談したらリハーサルにも確実に来れる人を探してきてくれた。若手でRodney Whitaker風のサウンドとswing感の良いベーシスト、George DeLancyという人だそうだ。もう2時半の仕事がはじまるまであと3分しかなく、ほかの人の連絡を待てないし、じゃあ、全然私は演奏も聴いたことのないその人にお願いします!とたのんだ。
あとで以前に一緒にオリジナル曲を演奏しているココラン・ホルトとダントン・ボラーから空いててギグができると仕事中に留守電をもらったがもう遅かった。依頼して2時間以内に返事をもらったにも関わらず残念だし申し訳ない。前はここで申し訳なさといろいろ考え過ぎてなかなか気持ちを前へ進められなかったが、すぐに電話でコミュニケーションをとってさっぱりできた。突然の選択が吉とでるか凶とでるかわからないけども終わったことはもうスッキリと気にせず、きめた道を突き進むことにした。まるでimprovisationのようです。

4時半にリハに行くと、初対面のGeorge君が時間までにそこに着いて居た。どの曲をやっても初見がはやく、まちがわない。私のこともウィリーのこともよく見ていて信頼できる。ハーモニーのセンスがあって曲の把握もはやく、今回トリビュート的な意味を込めてやりたいと思っていたKenny KirklandやMulgrew Miller, Cedar Waltonのちょっと難し目の曲やWayne Shorterの曲、オリジナル曲を、1時間半のリハでひと通り確認できた。全部で20曲くらいライブでやった中、スタンダードはリハも楽譜もいらない。あしたのギグではどうなんだろう?なんだか、日常生活自体がimprovisationのようだ。そう思ってリハを終えて家に帰る。友達から電話があり明日のギグの準備をきかれた。こうこうでベースがかわって、、、え、誰になったの、、、、という話になる。ああ、こうして、今日のGeorgeの演奏や人柄の良い評判はほかのミュージシャン達にその日のうちに広がっていくねんなあ、、。

若手のGeorgeとウィリーとでは先輩後輩の関係で、スタジオやオフ・ステージでは明らかにある種の緊張感が双方にある。しかしGeorgeはどんなギリギリの要求や緊張感の下でもstage上ではそんなものはまったくものとせず、むしろチャレンジに挑戦することがたのしみかのように水を得た魚のような110%の演奏でライブでも期待を裏切らない。ベースラインは信頼できるし音は太いし、ウィリーとぴったりgrooveの波長が合ってる。曲やライブの進行もよく見ていてきめゴトも忘れない。そして与えられた場面ではどの曲も自分らしい解釈で挑戦的なソロをとっていた。曲の把握がはやい。伴奏しながらそんな彼の演奏を頼もしく見ていた。でも余計なことは弾かない。人間的にもそういう人という印象を受けた。めぐってきた僅かなチャンスを逃さずにつかみ精一杯自分の演奏を披露してモノにする。こういう人が10年後20年後にベテランとしてこの世界に残って行くのだろう。

ウィリーには彼がかつてレギュラードラムを務めていたCedar WaltonやHank Jonesのライブによく招待してもらった。今回のライブで私はCedarの数々名曲からセッションではあまり演奏されないHindsightとClockwiseの2曲を選んだ。Cedarのピアノスタイルに敬意を表しつつ完全なる自分の解釈で演奏した。Cedarが亡くなるまで4年も彼のバンドに居たウィリーがCedarにはやらなさそうなドラムを私に自然に付けてくれたので「よし、これでいいんやな」と感じた。
あたらしく書いたオリジナル曲はリハができたお陰でサクセスフルだった。この2人にしっかりボトム(低音部&リズム)を支えられて私も110%のエネルギーでとてもたのしく自由に演奏してきました。いろんなことが勉強になりまた次の課題がクリアにみえてきて、とても充実した気持ちです。

ライブに来てくださった皆さん。本当にありがとうございました!!



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どんな感じかというと、去年のキタノでの演奏の模様がコチラ↓です。