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毎日、演奏の仕事ができるのはとてもありがたく素晴らしいことだ。一方、家でニュースを付けっぱなしで観て酷く心が痛み落ち込む。私が主に参考にしているのは24時間無料で見れるNHKニュース分刻みで速報がアップデートされる産経ニュース、そして米国の各メディアだ。

津波および地震に関しては、日本のメディアからの方が迅速で詳細な情報が得られた。一方原発に関しては、米メディアが早々に専門家を呼び、科学的な説明やワーストケース・シナリオをとっくの昔に民放で解説していた。文化の相違により様々な配慮や事情があると思うが、被災者が最小となる結果を導いてくれるよう、祈るばかりです。

渡米前、NYでの生活費を貯金するために某日系製薬企業で通訳のバイトをしていたが、工場&研究所で米国から定期的な査察を受ける度に、米側と日本側の双方の考え方の良い点と悪い点、日本のお役所と国際的な基準の温度差を肌で感じていた。通訳なのだから別に私の感情はどうでもよいのだけども、危機に関する意識の優先順位の差異やプレゼンテーションの方法の違いに、強いジレンマとストレスを感じずにはいられなかった。同時に、日本企業人や化学者の優秀さに私はいつも敬意を感じ信頼していた。今回、原発に関する日米の報道の違いや政府の発表のあり方をみていて同様のジレンマを感じるが、1000年に1度の自然災に耐えている適材適所での日本人の能力の高さを信じている。

同時に被災地の被害者の方々のことを思うと、もう本当に胸が痛い。明日から真冬並みの寒さになるというではないか。

世界各地の報道で危機下での日本人の冷静さ(これは津波・地震の被災地の映像を見た時に私もすぐにそう思いました)、助け合いの気持ち、そして精神の強さを絶賛している。今後の行方を遠い海外から見守りつつ、日本国民の力を信じたい。今できることは募金ですね。

突然の大災害により命を失われた方々のご冥福を心からお祈り致します。。。。。
先日、ドラムのJaimeo Brown(ジャメイオ・ブラウン)の仕事に誘ってもらった。NYには本当にすばらしいドラマーが多い。

Jaimeoとは、2年前の暑いある夏の日に知り合った。私の家の近くでは日本のお米は売っていないので、アップタウンに寄ったついでにクレオパトラズ・ニードルの隣のデリで米を買ったら、たむろしていたJoe Sanders(ジョー・サンダーズ)とTaylor Eigsti(テイラー・アイグスティ)に会い(ちなみに2人は元ルームメイト同士)、だらだらと30分くらい立ち話をした後ハーレムのSt. Nick's Pubにこれから行こう、という話になった。そこへちょうどJoeの友人のJaimeoがクレオから出て来て彼の車で4人でPubに行った。JoeとTaylorはPubでも外で30分くらい話した後結局演奏しないで帰っていった(この日はフットボールの試合を観に行った帰りでただ喋りたかっただけ)。せっかくだし帰る方向が同じなので、私は初対面のJaimeoと1曲演奏してから帰ることにした。エネルギッシュな演奏をする人という好印象がある。元々お米を買いに行っただけだがそんな縁でたまに仕事に誘ってもらうようになった。

ストレート・アヘッドのスイングスタイルのウィリーとはまったくタイプのちがうドラマーだけど共通点がある。それは自然な音楽の流れを大事にするということ。それに尽きるように思う。無理しない、はしゃがない、不要な自己顕示をしない。なのに(だから?)存在感がものすごく大きくエネルギーが満ちていてソウルフル。演奏後にものすごく充実感がある。もちろんリズム、グルーブ感、ダイナミクス、音色、テクニック、そしてハーモニーのセンスがすばらしい。

Jaimeoと演奏するときは、セッションでよくやる曲やロイがcallするタイプの曲はなく、ボビー・ハッチャーソン、モンク、ビル・エバンス、リッチー・バイラク、L.バーンスタイン、ウェイン・ショーター、H.ハンコックなどの名曲をさらう良い機会でもある。彼のオリジナル曲もすばらしく私の創造力の刺激になる。サックスのJD Allenとのデュオにシーケンサーを使ったかなり実験的な音楽をSmallsでやっていたのを観たが、大好評だった。本当にパワフルな音楽は聴衆を選ばないのだと思った。ジェリ・アレンにそのプロジェクトを気に入られ、ハーレムのアポロシアターで演奏してレーベルも付いてCDを出すことになったらしい。

伴奏の仕事で週に30〜40人くらいもの生徒をみていると、相手の良い点や弱点をいつも瞬時に分析している。それは仕事人としては充実しているが、自分の創造性のことだけを考えられる時間はとてもたのしかった。ミュージシャンというのはある意味身勝手であることが仕事の一部といえる職業だと思う。ニューヨークに来てから、毒気の強いそういう人達と接する毎日にウンザリしていた時期があったが、今ちょうどバランスが取れて来たようだ。よい共演者だと思う存分自由にさせてもらえ、危険な賭けに出るほど面白い音楽になる。

今月末は久々にDanton Bollerとデュオがある。とてもたのしみだ。昔馴染みの友達と久々に会って演奏してご飯が出てギャラをもらえる。ロイ・ハーグロフのバンドの元ベーシストなので、ロイから教えてもらった曲の数々を全部片っ端からやろうと思う。人気上昇中の女性アルト奏者、ティア・フラーさんとのデュオの仕事もたのしみだ。