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〜デビューCD「BEYOND INTERSECTION」ゲストのアルトサックス奏者のこと〜

こんなにも暑い中、お昼外で演奏したり駅からかなり遠くまで歩く仕事に今月は何度も行きました。あ〜、、、日本では夏の紫外線対策とやらに踊らされてお肌をとても大事にしていたのに、もう取り返しがつかないほど浴びまくってますよ。。。日本じゃあ女の人が夏の真昼に外で弾くなんて、そんなにないですよね〜(泣)。
さて、私はO-1ビザ(通称アーティストビザ)を申請することに決め、その資料作成にも追われて今はかなりストレスです。でも自分に何ができるかわからなくて暗闇の中に居たNYに来た当初に比べると、贅沢な悩みかもしれません。

日本からNYに引っ越してきた2008年1月、アントニオに学校で出会い、こう言われました。
「君のcomping(ピアノ伴奏)はオレの演奏内容をすべて台無しにしている」

。。。ガーーーン。。。

ほかにも「君、もっとスイングして弾いてみろ」(→といって何度もピアノからどかされる)
「はい次、君。あの曲(←数日前にアントニオの前で覚えていなかった曲)イントロから弾いてみろ」
クラスメートにも「なんでアントニオはカツコにばかりきびしいの?」と言われる始末。演奏はアントニオのクラスだけで、あとは楽譜ソフトを使うアレンジの大量の宿題。クイーンズ区から出ることもなく学校と家の往復と宿題の日々、雪は毎日のように降るし、旧知の友ウィリーやダントンはツアーでNYにはほとんどいないし、このまま私のNY生活は終わるの?と思ったものです。

やっと春になり、学期末の最後の授業でのアントニオのお話。
「俺がNYCに来た時はバークリーを卒業してすぐで、同期のロイ(・ハーグロフ)のバンドでツアーをしながらこのクイーンズ・カレッジ(大学院)に通ってたんだ。学校に居るかツアー先や電車で宿題をしているか、夜はセッションか誰かのライブを観にに行っていた。1度がっかりしたことがあったんだ。その後猛練習して、それ以来は俺はいつも準備OKだ。NYでミュージシャンでやっていくにはそうじゃないとダメだ。よそから来たばかりのミュージシャンにNYはつめたいぞ。特に謙虚さを良しとする文化のアジア圏の人達は気をつけろ。ちょっとでもビビったら奴らはすぐに君たちの脳の中に入り込んでVibeって[挑戦的な態度で意地悪して]くるからな。練習さえしていれば、楽器の前で堂々と自分を表現すればいいんだ。」

え?
すでにロイとツアーしてたアントニオでも「フン、お前、ふけるのか」とVibeられてたんや。
はじめての夏休みにセッションに行き倒す前にそれを知ったのは今から考えると大きな収穫でした。

まさかこの話から2年後の今、自分がその、ニューヨークのジャムセッションのホストの仕事をするようになるとは、当時はとても想像付きませんでしたが。

キツく当たられてすぐに引き籠る人にはニューヨークは向かない。
こわがってる暇があったら練習しろ。

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それ以降私はアントニオに心を開いたと思います。そして教えを胸に毎晩マンハッタンのお店に出入りしまくって知り合いが増えた1年後、ふとこう言われました。
「カツコ。君は女性なんだから危険な男には気をつけろよ。あいつはすごいピアニストだ!と言われて、その上で君に興味を示す男だけを相手にしろ。『ちょっと弾ける日本人の女』ってナメられるな」。心配してくれてるねんなーと思うと、とてもうれしかったです。


その半年後、このアルバムで一緒に演奏した後にスタジオで録音をみんなで聴き返してるとき。

「カツコ!ニューヨークのサウンドになってきたな」

それをきいたとき、なんか「終わった!次に行ける」と感じました。
実際Stretchingを録音した翌日がアントニオに学校で音楽を教えてもらう最後の日となりましたが「今こそ別れめ いざさらば」というお涙頂戴ではなく「ウェルカム・トゥ・ニューヨーク!!(=この先も振り落とされるな)」という感じです。

彼の演奏には人間味のあるところが滲み出ています。練習と信念と情熱で人を動かせる。会場でスタンディングオベーションの恩師の演奏を一流クラブでみるたびに、生徒に毎日口酸っぱく言っていることを自分が日々110%実践していて、結果はすべてのライブ演奏でのお客さんの歓声で証明してくれることを、とても尊敬しています。

先日見知らぬ女性から息子がバークリー音楽院を受けるのでレッスンしてほしいと電話がありました。なんとアントニオが私を推薦したそうです。恩師でミュージシャンの先輩で、気の利いたタイミングで自信をくれる大事な存在です。

  ★そんなアントニオがゲスト演奏してくれているCD「BEYOND INTERSECTION」は→コチラ!!



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by Katsuko Tanaka  たなかかつこ

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