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NYに来てから、よく風邪をひく。温度調節がうまくできていないのと、乾燥してるせいだと思う。日本に居たときは週3-4日ジムに通っていたのに、運動をさっぱりしてないせいもある。10月になって突然寒くなり、家のヒーター(NYでは建物の所有者にヒーターを義務づけている。そうしなと冬は光熱費を滞納する低所得者は死んでしまうから?)がきいていると暑過ぎるしついてない時は寒過ぎる。ルームメイトが居ないので長時間入浴してたのもよくなかったかも。長引きそうだったので、保険を使って病院に行った。病院の診察費は窓口でお金を払わずに病院から直接保険会社に請求されたが、処方箋を出してもらった薬はその辺の薬局で建て替え払いした。全部で100ドルくらい! 私が入っている東京海上日動の旅行保険はいざという時に対応が良く安心なので、おススメです。
それにしても、ミュージシャンって病気でも有休がないのがつらいなあ。休んでも迷惑、がんばって行って変な演奏しても迷惑。どっちをやっちゃっても、次回の仕事の継続に差し障るしね。


話は変わって、ウィリーのレコーディングに使う曲の楽譜を書くお手伝いをしたので、譜面通りに演奏して果たしてうまくサウンドするのか確認するためにリハを見学に行った。何曲かはFinaleで各楽器用別々に作り、オリジナル曲は下書きで書き取ったものを「これで充分だから」と言ってそのままコピーしてバンドメンバーに渡していた。ピアノのEric Reedに「なんだ、この譜面は」と言われないかちょっとどきどきしていた。Ericは聴いた事もない曲なのに「え?私が書いたあの譜面をみて、なんでこうなるの?」というような素早い解釈で、1回目からもうレコーディングに使えるような伴奏を付けてガンガン弾き捲くっていた。驚くべき集中力の持ち主で、几帳面で段取りがよく、仕事がはやく、すべての人に気配りができ、その上、すごくユーモアのセンスがある人だった。まちがうこともなく、しかもあれで風邪をひいて薬を飲んでいた。引っぱりだこなピアニストである理由が5分一緒に居るだけでよくわかった。ウィリーとEricは、リハと翌日のレコーディングの両日共、7時半からDizzy's Club(Blue NoteやVillage Vanguardと並び大物ミュージシャンが多く出演するジャズクラブ) で演奏していた。体調を崩していてあれだけの仕事が出来るって、ワーキング・ミュージシャンとしてEricを心から尊敬した。こわい人かと思っていたが、普段とても緊張感のある生活をしている人なのだとわかった。

メンバー全員の初見のすごさにも驚いた。リハはヘッド(メロディー)を通しただけで、トロンボーンのSteve Davisは当日参加。レコーディングは1回目のテイクがリハみたいなもんで、大体1回目か2回目のテイクを使う。はじめて聴いたメンバーのその場でのソロにみんな湧いていた。自分のレコーディングの参考にと思って観に行ったが、ほとんど何の役にも立たず、この人達は譜面と伝達事項がしっかりしてたらリハが要らないことだけはわかった。


写真は左から、エリック・リード、レネー・ヌーフビル、ウィリー・ジョーンズ・III、クラウディア・アクーニャ。

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最終製品はまだ出来ていないですが、Willie Jones IIIの4作目、コンセプト的にもかなりいい感じのCDなこと間違いなしです。
Willie Jones III (ds), Warren Wolf(vib), Greg Tardy(ts), Steve Davis(tb), Dezron Douglass(bass), Renee Neufville and Claudia Acuna(vo).



同じ週に、西口明宏くんのオリジナル曲を演奏するギグに誘ってもらった。何回か彼のリーダーライブを聴きに行った事があって、良い曲を書くなあ、と思っていたが、私がこれまでに演奏したことないタイプの音楽だったので完全にお客の視線で聴いていた。いざ音源と楽譜を送られて来て「うわ、これはほかのピアノの人に頼んで貰った方がいいわ」と言った。なんだか騙されたようにやってみることにしたが、一旦メロディーが聴こえて来るとストーリーがはっきりしていると感心した。無駄がなくアイディアの統一性がある音楽は、フメン面がどんなに難しくてもとても自然だ。個性的なメロディーをソウルフルに歌い上げ、純粋な感性がうまく反映された上にとてもエネルギーが強い音楽。男前だ。

今回は2管編成で、トランペットの黒田卓ちゃんの曲も演奏した。大昔はじめて彼のバンドで演奏した時も思ったが、この人はその場に居る1人1人の資質を一瞬でよく見抜いていて、良い所を引き出しながらイヤミなくリーダーシップを取ってみんなでたのしくいい音楽を創るのがうまい。彼の音楽はメロディーがキャッチーでその下にあるコード進行の数学的バランスが良い。それぞれの楽器の魅せ方をよく知っていて、ハーモニーも面白い。2人共、プレイヤーとしてすごいことはとっくに知っていたが、アーティストとしてこれほど優れているとは思わなかった。一緒に演奏を誘ってもらって本当にうれしい。

今後、彼らの音楽が日本でもっと知られるようになるのがとてもたのしみだ。


風邪もやっと治ってきて、今度は自分のピアノトリオのリハのために自分のオリジナル曲をFinaleで書き直す。自分のバンド用だと責任感がない分スラスラと進んでいる。

インフルエンザが流行ってるし、気を抜かないではやく体調を万全に取り戻したいです。

あ〜あさってまでに出す譜面をやっと仕上げた!! Finaleも、WordやExcelと一緒で長いこと使ってなかったらすっかり忘れますね〜。トロンボーンのパートをヘ音記号で書くことも納品直前まですっかりわすれていた。

ルームメイトがオーケストラの仕事でツアーに出ていて、私は今マンハッタンで優雅な1人暮らし。週に1800ドルの仕事らしい!クラシックって、そんなに儲かるんや〜。1かど先のアル中の元ルームメイトとの憂鬱な日々(夜中にうすら笑いで意味もなく暗闇の廊下に立っていたり、台所のゴミを私の部屋のドアに投げつけてきたり)とはえらい違いです。引っ越しを勧めてくださった陽子さん、本当にありがとう!

iTunesにフォルダを毎月作って、セッションの時に知らなかった曲をそこへ放り込んでiPodで聞いています。9月のリストはいつもの1/5、10月はゼロ。それは最近全然出かけてないからです。この秋は、家でレコーディングのために曲を書き直し、、たいところですが、最近突然の依頼が入ることが多くてぜんっっぜん進みません。次いつできるかわからないと思うとつい引き受けてしまう。友達が言ってました。「ニューヨークの生活のペースって、Now or right now[今[できる?]か、いますぐ(できる?)]だよね」と。ほんまにそうです。

夏までは大学院が生活の中心で、何のためにNYに居るのかわからないほどピアノに触る時間もスタンダード曲を覚える機会もなかった(大学院は演奏のクラスがあまりなく講義と宿題が多い上、学校まで片道1時間半もかかる)ので、学校帰りにしょっちゅうセッションに寄って弾いてました。9月から学校は週1のスケジュールになったので、今だけは渡米前に描いていたようなNY生活を満喫して、卒業してからのことは後で考えます。お母さん、帰るのがちょっと遅くなりそうでごめんねー。


卒業演奏会は12月1日(火)の3時からにきまりました。
メンバーは、カリフォルニア時代の友人達で、Danton Bollerがベース、Willie Jones IIIがドラムです。もしNYCにいらっしゃる方が居たら遠いクイーンズ大学[Queens College, Aaron Copland School of Music]までお越しください。


いろんな意味で「卒業」って感じがします。
NYに来てから、去年の3月と10月にこの2人と2回一緒にジャムセッションに行きました。Willieは大きい仕事が多くて最近はめったに地元のセッションには行かないので、彼が来ると必ず自己主張の強いピアニストが一緒に演奏したがります。さすがNY、肉食系だわ。1回目は、私は曲を知らなかったので勉強不足だし仕方ないなあ、と思いました。2回目は、曲を知っていたにもかかわらずピアノからどかされました。で、ああ、彼らとセッションに来ても一緒に演奏することはないのだなと悟り、じゃあ、自分でブッキングしよう!と思いました。

といっても、彼らの協力があるから実現できるのです。
本当に感謝して自分らしさをうまく出せる演奏ができたらいいな、と思っています。


10月に第2子のダディになるDantonとはすでに何回か、そしてこの秋も一緒に演奏します。
先月久々のセッションでは、ラッキーにもWillieと演奏できました。
あ〜、たま〜には努力も報われるもんですね〜。


A jam session with Joseph Lepore and Willie Jones III
@"Fat Cat"

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そしてスーツにスニーカーという勇気あるコーディネーションをお洒落に着こなすロイ・ハーグロフ。

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めっちゃ見てます。いつでも、誰の演奏でもすごくよく聴いてくれます。

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ボルチモア出身のアレックス・ノリスというすばらしいトランペットです。

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最近のギグの写真はコチラ。
黒田くんもトランペットを吹く西口くんのグループの10/18の演奏に誘ってもらってます。2人共かなり良い曲書くので刺激をうけます。

Afro-Latin Soul band San Juan Hill
@"Tea Lounge" in Park Slope, Brooklyn


黒田卓也(tp)と西口明宏(ts)は、毎回の演奏が前回より必ずすごい。


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Brandon Sanders group
featuring Walter Blanding on Tenor Saxphone
@"Londel's" in Harlem


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by katsukotanaka | 2009-10-11 17:09