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NYに来たはじめの数ヶ月、どうしたらグルーヴできるかスウィングできるか、そればっかり悩んでいた。アントニオ(・ハート)に、君たちの演奏にはエネルギーがないとか、まったくグルーヴ感がない、君(=私)の伴奏で俺の吹いている内容が全部台無しになっている、とも言われたねえ。。。他にも言われた事は山ほどあるが、特にグルーヴに関しては行き詰まっていた。しかしアントニオの恐ろしく根気良い付き合いのお陰で、5月頃には良い演奏をした時はちゃんとほめてくれるようになった。「あ、これでいいんかな?」と一瞬感じた直後に「これでいいんか!」と確認できるのはとても重要だ。そういう事が何回かあると、だんだん確信できる成功体験となって自分の中に蓄積される。アントニオは指摘のタイミングが抜群にすばらしい。

その後も、新しいこと、特にリズムに関して挑戦する度に「自転車に乗れて数メートル転倒せずに走れたような走れてないような」感じはつづく。グルーヴとかリズムセクションの間での感触というのは少しずつ慣れて来たとして、次の壁は、リズム。

変拍子は今や普通の一部になり、ヒップホップすらダウンビートに着地しないのがどうも最近の若手の流行りらしい。ポリリズムを常に感じて、アフロ、7拍子、5拍子、ラテン、4ビート、8ビート、ドラムンベース、2倍早い/遅いテンポへの出入りがどこからでも自由自在だ。今までにもあるアイディアだが、料理の仕方、特にヒップホップへの流れやベースリフのセンスがイマドキっぽい。個人の好みだが、表現の手段としてのリズムのボキャブラリーの幅広い使い方に新しい音楽を感じる。ピアニストはマッコイやハービー、キースのアウトも乗せられるし、教会のオルガン弾き出身のピアニストが足すゴスペルの匂いもバランスがいい。アーマッド・ジャマルやウィントン・ケリーの地に足の着いた伝統的なスウィングの場面との対比も面白い。はっきりコードを示さないベースラインがこのスタイルに合うので、はじめてこれをやられた時はブルースなのにしばらく何が起こっているのかさっぱりワケがわからなかった。

最近、長い地下鉄乗車&待ち時間の中でいつもあらゆるリズムの練習をしている。傍から見るとかなりヤバい変な女だ。そんな事ばっかりしていると、西アフリカの音楽や卒試で演奏したバルトークの「ブルガリアン・ダンス」がシンプルに聴こえて来る。え?まさか、早くも効果の兆しか?セッションに行って演奏してみると、今までさっぱり分からなかったのに、なんだかドラムのフレーズとベースラインが体内に溶け込んでくる。そうするとバンドの中に溶け込め、自分でも「なんでこんな事が弾けてしまうんやろう?」という事がステージ上でどんどん湧いてきた。自己満足かなと思った矢先、弱冠23才素晴らしいピアニストのサリバン・フォートナーが駆け寄ってきて「Hey, 今の演奏すごく良かったよ!」ととても嬉しそうに言ってくれた。「これでいいんか!」に変わって行く。

そういう体験をさせてもらえるすべての状況に感謝している。

さすがにセッションも通い飽きてきたし最近寒くなってきたので、そろそろほかの事に力を入れたいと思います。
私は女性にはめずらしく私は買い物が昔から大っ嫌いだ。理由は3つ。
1. 時間がかかる。
2. お金がかかる。
3. 決められない(性格が優柔不断)。
NYCに来てから、買い物の日を設けたことは一度もない。
履く靴がない、A4サイズの譜面が入る鞄がない、洗濯し過ぎてTシャツがボロボロになったという理由で、やむを得ず用事の帰りに買い物をする。それでもセール中の店かディスカウントの店にしか近付かないし、予定以上の金額だったり少しでも好みと違えば、絶対品物を手に取らない(優柔不断で時間の無駄になるからです)。コートが必要になった季節に夏用のサンダルしか持っていなかった日、ショッピングモールを歩いて1軒目の店で自分に合うサイズで気に入ったデザインの靴を即買いした。こういった状況に追い込まれると、1.の時間がかかる、3.の優柔不断という問題は吹っ飛び、季節外れ過ぎてセールになっているので、2.も和らぐ。

お陰で、こっちで買った靴や傘、シャツは、点数は少ないが全部お気に入り。色やデザインはNYCテイストなのに不思議と関西から持って来た服とのコーディネイションが良く、エレガントな日本スタイルの服装にちょっとしたスパイスが効いている。ちなみに買い物は嫌いだがファッションは大好き。地下鉄の中でお洒落な人を見つけては素敵に感じる理由を研究するのが楽しみだ。お金をかけブランド物を纏ったお洒落ではなく、小物と服の色や布の素材等のコーディネーションとバランス、人種ごとの髪型や目の色に合ったスタイル、そういった個性的なセンスで楽しむお洒落だ。「どう?私のお気に入りなの」的な前向きオーラがあるところもかっこいい。

今の「たなかかつこ」が既に持っているものを活かして足りてないものはNYCで足していけばいい。個性はその人に似合っていれば自分の趣味とかけ離れていても尊重できるし、違うもの同士の組み合わせが意外と調和する場合もある。そして、私が重要視するのはオーラ!その人の音楽に対するスピリットが強ければ強いいほど、オーラは濃い。センス良くオーラがあってついでに上手ければ、その人がこの世に存在してくれていてほんとに良かった、と演奏を聴いていて思ってしまう。