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リサイクル

 こういう仕事をしていると、庶民の私などは時々「一体あなたの目的は何なんですか」と聞きたくなるくらいオイシイ話をする人にたま〜〜にお目にかかる。musicianと同じくらい音楽への熱い思いがあり、別の事業で儲けたお金を理想の音楽の実現につぎ込んでいる、、、ようである。
 留学中、演奏のオーディションを受けると奨学金がいくつかもらえた(クラシックピアノ専攻で留学していたのでショパンのバラード第4番[通称:バラよん]などを弾いた)。奨学生は富豪らが定期的に開いているお茶会に招待され、5〜6分の小曲を演奏をするだけでよい。当時免許もなかったので、アパート前でお迎えを待った。すると約束の時間に向こうから真っ赤なフェラーリが。待ち合わせ相手は80歳くらいのお年寄りの女性なので「まさか」と思った。少しも下品にみえない大胆な花柄プリントのワンピースに身を包んだお年寄りは、ギアをがんがんかえまくり大音量でオスカー・ピーターソントリオ(ジャズ)をかけ、そのオープンカーでロングビーチのパーティ会場へ私を連れて行ってくれた。とても場違いなように思えたパーティだったが、富豪らは「私達は、どんなに芸術を愛していても演奏する技術がないのよ。パーティであなた達の演奏が聴けるとうれしいわ。」と言った。なるほど!場違いでもないのだ。教育機関への寄付は事業主の税金対策にもなる。持っている資産をいろんなとこへ投資してさらに財産を増やしていそうな感じの、焦点が定まってて行動力があり相手の話をよく聞く、イヤミがない人達だった。
 冒頭のオイシイ話の人のウラの顔は、ロータリークラブの偉い人だった。ちなみに、私は国際ロータリー奨学金制度で1年間の学費と生活費、渡航費etc.を出してもらえたので留学できた。財団の目的は、奨学生が相手国の言語を使って文化交流をすることなので、滞在国でジャズにはまり現在に至る私は一応missionを果たす路線にいる。お金に限らず、いろんな人達からご厚意もたくさん受けてきている。返せるものはほかにないので、これからも精進していい演奏で還元していこうと思います。